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    正しい記憶の隙間に宿る、誤った先入観の見つけ方

    先入観は脳内の知識の本棚に宿る

     「先入観と仲良くなって絵を描こう」の記事では、絵を描くときの先入観について独自に定義した。その記事では、絵のビジュアルは「曖昧な雰囲気」と「正確な認識」で成り立っていると考えた。そして「正確な認識」を行うときの知識の検索に失敗したときに先入観を持つとした。検索の失敗は観察不足によって起こる。その観察不足は、絵を認識するときのストーリーに情報の欠落を持たらし、先入観が入り込む隙を作ってしまうのである。では観察不足をしてしまうのは何故か。人は望んで失敗することは基本的にはしない。つまり観察不足は無意識に起こるもので、それを分かりやすく言うと「思い込み」ということになる。思い込みとは、脳内の知識の本棚が空っぽなのに、しっかり確認せずに「ここの棚には◯◯があるはずだ」という結論に至る思考のことである。逆に言えば、先入観に翻弄されないためには「持っていない」知識が何かを漏れなく認識しすること、つまり自分にできないことはやらないことである。

    先入観のプロセス

    • 絵のビジュアルは「曖昧な雰囲気」と「正確な認識」で成り立っている
    • 「正確な認識」を行うための知識の検索に失敗したときに先入観を持つ
    • 検索の失敗は観察不足によって起こる
    • 観察不足は無意識に起こり、その原因は思い込みによるものである
    • 思い込みとは、ありもしない知識をあると勘違いしたまま結論付ける思考のこと
    • 自分が知っていないことに気づかないことが諸悪の根源

     一言でまとめると、先入観は脳内の知識の本棚の暗くてよく見えない部分に宿る妖怪のようなものである。それらを追っ払うには光で部屋を明るく照らすことで撃退するか、知らず知らずのうちに住み着かれないよう脳内の本棚の管理システムを構築することである。実用的な言い方にすると、前者は記憶方法、後者は検索方法に関係するものである。

    脳内の知識の本棚を光で照らすこととは?

     人は使わない部屋に明かりを灯すことは滅多になく、いずれはその部屋の照明器具もさびれて故障してしまう。すると、たまにその部屋を訪れるときに手持ちの照明器具が必要となり、使い勝手は悪いし視野は狭いし長持ちしない。こうならない為には常日頃から使い続けて管理しておくことである。頭を使うことである。

    暗くて良く見えない書斎

     つまり、勉強するとき自分の持っている知識全ての相互関係をその都度見直して、新しく得た知識が古い知識とどう結びついて、どのカテゴリの本棚に入れて、これまで保管してきた知識の中に間違った解釈はないか、考えるのである。新しく得た知識を正しい本棚に押し込めるだけでは不十分で、他の知識と重複している部分や、補完し合う部分の添削が重要となる。

     こんな七面倒臭いことするのに手持ちの照明器具ではイライラするに決まっている。部屋に何度も何度も出入りして、照明は常にONにして、本棚の中身をいじくり回すのである。そうすればどの本棚が空っぽなのか把握できるし、先入観が宿りやすい本棚も把握できるし、事前に対策(ゴキブリホイホイ的な)も練ることができる。知っていることと知らないことが区別できなくなる程放置してしまっては、もう手遅れなのである。もしかしたら痴呆も早くなるかも…。

    脳内の知識の本棚の管理システムとは?

     頻繁に出入りすることで脳内の知識の書斎は明るくなった。お陰で知識の本棚はキレイにカテゴライズされ、デッドスペースもなく整理されている。しかしこれで満足してはいけない。ただのコレクターではないのだから、目的の情報が書かれた本を探し出す事ができて初めて意味がある。つまり脳内の知識の本棚の管理システムとは目的と一致した知識を素早く正確に探し出す機能のこと、言うまでもなく「検索」が重要なのである。

     検索というと、おそらく多くの人は「ググる」ことを思い浮かべるだろう。それも間違いではないが、「ググる」という検索方法はGoogleに適した管理システムなのである。ググっている人は通常はGoogle先生とは別人で、ただの生徒というべき立場の人間である。要するに、ググるとは博識な人に質問しているだけで、ググるときのキーワード入力は質問内容を考えているに過ぎないのである。実際に数多の情報の管理システムを保有しているのはGoogleであって、自分の脳内の知識の本棚の管理システムは「ググる」とは異なる。何せGoogleは脳みそでなくサーバーとプログラムで思考しているのだから。

     検索方法を考えるには、まず人間の脳内に蓄積される「記憶」というものについて知ることである。聞いた話によると記憶の種類にはいくつかあって、その中でもここでは意味記憶、エピソード記憶、手続記憶について取り上げる。簡単に解説すると、意味記憶は言葉通り「意味」によって記憶を見分けるもの、エピソード記憶は人それぞれの経験による「印象」や「思い出」によって記憶を見分けるもの、手続記憶は「こうするとこうなる」や「こういうもの」というような深く考えず体で覚えるタイプの記憶である。

    記憶の種類

    意味
    意味記憶 物事の意味によって理解し見分ける記憶
    • 犬とは、ほ乳類で四足歩行で嗅覚が優秀でetc…
    • 辞書のようなイメージ
    • 暗記
    エピソード記憶 個人的経験に基づく印象や感動とセットで理解し見分ける記憶
    • 犬はかわいい(このとき飼い犬との思い出が脳内をよぎりながら)
    • 歴史の教科書より古典文学の方が覚えやすい
    • 電子書籍より紙の本の方が、紙質、重さ、大きさ、ページ数、傷やくたびれ方、光の当たり方など、情報量による印象が様々
    手続記憶 言葉で言い表せないが、体で覚えて使い分ける記憶
    • 絵の練習
    • 職人の技
    • 「ビュッとやってグワァッと」的な説明し難いこと

     これらを踏まえた上で、先入観が生じる「正確な認識」の段階に関係の深い記憶の種類は「意味記憶」である。なぜなら「エピソード記憶」も「手続記憶」も、無ければ無いで何も困らないし、現実世界の何かしらの事象が説明できなくなる事態も発生しないからである。ところが、もし現実世界で「意味」を持たないものがあれば即未知の存在になってしまう。人間は正体不明の存在に対しては不安を抱き、何とかして屁理屈を当てはめて説明しようとする。この時点で既に真実のねじ曲げが起こっている。仮に不安を抱いていなくても、物事を最後まで説明しないままでは何も始まらないため、真実とは異なる知識をねじ込んで説明しようとする。絵を描くときに先入観で嘘デッサンをしてしまうのは今述べたような原理なのではないかと考える。つまり、知らない事柄に出会ったときにエラーを返せるような意味記憶の管理システムこそが先入観を察知する鍵となるため、まずは意味記憶について熟知することが近道なのではないか。

     「意味記憶」についてはもっと詳しく調べる価値がありそうに思える。取りあえず今回はこの辺りで考えるのを止めておこうと思う。ところで、なにやらだんだん絵を描く事から遠ざかっているような気がする。しかし遠回りも必要だ、そうに違いない。こういうことはお絵描きには関係ないと決めつけること自体、すでに先入観に支配されている。絵が上達する方法など知りもしないのだから、そのような空っぽの本棚に住み着いた先入観に洗脳されている。

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